February 01, 2012

年の初めにー思考の省略のむくい

──しばらくでしたね。 洋山先生 ご無沙汰したな。ごめん。 ──何をしていらした...

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April 07, 2011

地震難民

─────先生、ずいぶんご無沙汰していましたが、この大事なときにどこへ行っていたのですか。

洋山先生 東京を離れていた。いや、ほんとのことを言うと、地震難民の一人になっていた。

─────へーっ、知らなかった。どこへ行っていたのですか。

洋山先生 岩手県の山奥にいた。山奥だから、津波はまぬかれたが、電気はこない、通信は途絶する、交通機関は動かない、陸の孤島とはあのことだ。

─────何でまた、そんなところへ。

洋山先生 交詢社スキー同好会の例会があって、八幡平の安比高原に滞在していた。
10日の日に例会が終わり、一行の帰京を見届け、後始末をして、11日の午後帰京の道についた。そこで、始まった。盛岡駅に向かう高速バスの中でガタンときた。

─────2時過ぎでしたね、そのとき、高速道路の上にいたというわけですね。

洋山先生  と、いうことだ。さすがに、バスは、すぐ、路肩に止まった。頃合いを見て、下へ降りた。一般道を盛岡駅に向けて走った。うまく行ったと思った。

─────ところが、新幹線は、動かない。

洋山先生 盛岡駅に着くと、異様だ。人々が外の広場に散らばっている。駅の中は、真っ暗になっている。改札口に近づくと、綱を張って通せんぼになり、二・三人の駅員が、両腕で、バツの字を書いている。「新幹線はストップ、当分、動く見込みはありまッせーん」 と叫んでいる、でも、どのくらい待ったらいいか。そのときはまだ、平常の感覚で、そのうち、見込みがたつだろうと思っていた。とんでもない誤算だった。

─────今でも、新幹線は、不通のまま。それで、どうしました。

洋山先生 駅員は、外へ出てくれ、余震が危ない、と叫んでいる。人々は、小走りになって駅舎を出て行く。駅員が、ああいうからには、この駅の耐震構造は、好くないらしい。いや、とんんでもないことになったぞ。そのとき、津波のことは、まだ、念頭になかった。本当は、多くの犠牲者が、もう、幽冥境を異にしていた。

─────先生、もう少し早くて新幹線の中にいたら、どうだったでしょう。

洋山先生 それもう、集団避難の渦の中に巻き込まれていたでしょう。私は、盛岡駅前の広場に立ち尽くしていた。そのうち、日は落ちる。薄暗い中を、雪が舞い始めた。しかし、せめてもの幸いだった。このときぐらい、オーストリーの山の中で手に入れた羅紗の帽子をありがたく思ったことはない。北海道で買った薄手だが、ウラの構造がよくて暖かいコートも役に立った。

─────どの位、そうしていたのですか。

洋山先生 そうだな。こうしていてもしょうがない。盛岡に滞在して待つか、山へ帰るか。道は二つしかない。太平洋側は、面倒が多そうだ。やはり、山に待避して時期を見よう。こう判断した。後になると、それで好かったことが、判明した。

 

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February 18, 2011

民主党執行部の幼さ

──しばらくお呼びがなかったですねえ

洋山先生  こう変化を知らない政治の動きでは、論評するのもしんどい。

──今度は、何か、動きましたか。

洋山先生  民主党執行部が、おそれ気もなく、破滅の断崖に動き出した。どうしても小沢とその一党を切り離したいらしい。それが、できない相談だ、という認識をもてないらしい。

──国民が、小沢処分を望んでいる、の一点張りですね

洋山先生  国民は、ただ、処分したいがどうだと聞けば、その方がいい、と答える。当たり前なことだ。それを言っていると、国民生活に関係する仕事が滞るが、どっちを選択する?とはっきり聞かなければならない。

──小沢元代表は、何をかあんがえているのでしょう。

洋山先生  自分はシロで、遠からずその結論が出るまで、今の執行部を細々生かしておく考えだ。そのかわり、シロの判決が出たら、脱兎のごとく政権取りに走る。それまで、自民党に取られないようにする。取られたら元も子もない。

──じゃあ、身内の造反で党を割るという気はないわけですね。

洋山先生  政治はお先真っ暗だ。何が起きるか解らない。だが、予定としては、いまのまま、人気をとれない、今の執行部で、人心をあきあきさせる、その後の反動のエネルギーは、シロの判決を得た自分がものにする。小沢系の議員十数人が、党を離れないまま会派を別にしたのは、揺さぶりとしてはうまい。

──目的はなんですか。

洋山先生  小沢の党員資格停止を延期させることができるかどうかだ。執行部の分からず屋が、そうしたらどうなる、と、はっきり見えるようにしたのだ。こんなことは、強制起訴された段階で、見通しがきかなければならない。

──仙谷代表代理は、法律の専門家だ、と言って、強制起訴も本来の起訴も法律上変わりはない、刑事被告人をどうするかの前例はいっぱいある、と言っていますな。

洋山先生  法律上は同じ起訴だ。それは、その通りだ。しかし、今度の起訴は前例のない無垢の法律で、従来の検察官の起訴は、本来の法律の主旨を泥で塗りたくって内実が見えなくなっている起訴だ。その効果に目をとめない政治的反応は間違うことになる。

──その「泥」というのは、なんですか。

洋山先生  裁判の無垢の性質は、起訴された段階ではシロで、社会的差別は受けないというものだ。それを専門用語では、弾劾主義という。英米法で、発達した法意識では、裁判は検察官と被告人は、対等平等で、法廷で戦う。対等平等だから、知識の弱い被告人には弁護人がつく。その資格は、検事と同じだ。もちろん、法廷闘争の間に、クロのハンディをつけられたらそれはもう平等な法廷にならない。

──ところが、逮捕されたときから、一般の扱いはもう、クロ、社会的には大ハンディがつけられますね。あれはいかないことでしたか。

洋山先生  いけないとは言えない。と、いうことは、日本の裁判では、江戸時代から、お上に捕まったら、そのとき、もうクロは明白だ、とういう観念できた。クロかシロか、戦って決着をつけよう、という英米の裁判思想と決定的に違う。

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January 18, 2011

年の初めに

──ずいぶん、お休みしていましたね。 洋山先生 すまん、すまん。山でスキーをして...

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December 31, 2010

年の終わりに

──民主党は、党内抗争が、目立っています。 洋山先生 かわいそうなところもある。...

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December 29, 2010

この年は終わりだ

──いよいよこの年も終わりですね 洋山先生 終わりになってよかった。今年は試行錯...

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November 27, 2010

おごるる仙谷も久しからず

──仙谷官房長官もついに問責されましたね。 洋山先生 そうなる流れだった。法律の...

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November 24, 2010

仙谷長官と暴力装置

---仙谷官房長官が、窮地に立っていますね。あの「自衛隊は暴力組織だ」ていうのは...

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October 28, 2010

普通の起訴と検察審査会の起訴は違う

━━小沢さんが、検察審査会の起訴を受けて、世間は、議員辞職だ
のなんだの騒いでいますが、本人は、空吹く風ですね。あれでいい
のでしょうか。
洋山先生  あれが普通だ。
━━なぜでしょう。逮捕されて起訴されれば刑事被告人となって、
公務員なら、職場が休職になりますね。議員も自発的に辞職するの
が、ほんとうではありませんか。
洋山先生  そこが、違うのだが、一般には知られていない。
━━どう違うのですか。
洋山先生  日本の裁判の原則は、「当事者主義」になっているの
だが、実際の運用は「糾問主義」になっている。まず、ここから理
解しないとわからない。
━━何です。その糾問主義とかいうのは。
洋山先生  昔からのお白州(おしらす)裁判のことだ。被疑者は
しばられてお白州に引き据えられ、自白を強いられる。もうこのと
きから、クロの扱いだ。
当事者主義というのは、戦後アメリカから来た。民主主義の裁判で、
決闘で白黒の判別をする伝統からきている。
被疑者も検察官も平等で、判決が確定するまでは、被疑者は真っ白
のシロの扱いを受ける。被疑者が勝ったら、真っ白が確定する。負
けたとき、そのときからクロになる。法律用語では判決までの被告
人の姿を「推定無罪」という。

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October 09, 2010

特捜検察が独裁権力になるわけ

━━特捜検察が、独裁権力だ、などと思っても見ませんでした。
捜査権の普通のあり方を教えて下さい。

洋山先生  警察が基本です。警察捜査は三重の監視を受けてい
ます。事件は、国民の身近で起こりますから、まずは、国民の目
線があります。次に、公安委員会という民間有識者で組織する委
員会が、警察の管理状況を見ています。最後に、警察捜査の結論
を再審査する検察があります。検察には、その際の補充捜査が許
され、警察捜査が、起訴に耐えるかどうかを調べることができます。
これで、はじめて、人権を制限できるかどうかが決まるのです
このときの検察を「公訴官」というときもあります。

━━するとなんですか。警察は同心と岡っ引きで、検察が与力と
いうわけですか。

洋山先生  そうではない。戦前の制度では、そんな風もあった。
犯罪捜査は、検察官が、警部補以下の警察官を部下にしてやって
いた。それを敗戦後、アメリカがきて、アメリカ風に変えた。
 戦前の裁判は、江戸時代のお白州裁判に似て、被疑者を取り調
べて自白を取ると有罪にした。そのために、拷問が使われた。これ
を「糾問訴訟」と言っていた。
 アメリカからきたスタイルは専門語で「当事者訴訟」と言います。
検察官と、弁護人に支えられた被告人とで法廷で黒白を争う裁判
スタイルです。これは、もとは、ヨーロッパに発達した決闘裁判から
きています。負けた方が黒、勝負がつく前は、どちらも白です。
そこで、「推定無罪」という言い方が生まれます。
 ところが、敗戦後の日本の裁判では、このアメリカ式を入れながら、
実質は、昔からの糾問裁判の実質を崩さなかった。脅し、すかし、
取り調べで落とされて自白調書に署名を強要されると、もう助から
ない。有罪率は、先進民主主義酷の中ではずば抜けて高い。そう
なると、判決があるまではシロだという感覚が、育たない。昔ながら
に逮捕された、というその日から罪人扱い、人権もクソもありません。
それが、あの村木厚生労働省局長の悲劇です。推定無罪なぞと考
えられることもありませんでした。

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«特捜検察は独裁権力だから人権蹂躙もある